待つ能力
待つって能力なのか特性なのか、それとも仕組みなのか。
いずれにしても待つということは、 人材育成や研修の基本なのですよ。
人はそんな簡単に変わることはできないし、もし変わったとしたら
それはまた簡単に元に戻る。
ということで、人材育成や研修の効果を短絡的に求めたら得られる
ものも得られないものなのです。
それをわかっている組織は研修単体の効果を求めない。なので、
結果的に時間をかけて大きな成果を得ることができる。 それが企業力の差
なんですよね。 時間をかけるから多様な人が育って人材の厚みに繋がり、
環境の変化に対応できるのです。
環境の変化に対応できるのは、 人が変化に対応して変わるのではなく、
新しい環境に対応できる人がいるということなので。
ということで、成果が出るまでずっと待つこと。
これって組織運営にとってとても大事だと思うのです。
【今週の1冊】
「十二国記 月の影 影の海(上下)」
小野不由美 著 1992年
小野不由美はその昔「屍鬼」 というホラーサスペンスを読んだきりで
遠ざかっていたのですが、 YouTubeである人が勧めていたので、
その解説を信じて買ってみたのですが、これはいかん。
だってEpisode8まで全15冊の長いシリーズなんだもの。
まだ読みかけの「失われた時を求めて」も長いし、 ドストエフスキーの
長編もたくさんあるし、 これ読んだら同じジャンルの上橋菜穂子精霊の守り人も
きっと読みたくなるし。
本を読む時間がもっと欲しい! だって小説は速読できないんだもの。
多面的にみる。そして考える
少し前になりますが、「ちいかわ」観てきました。
大人でも楽しめると言う評判を聞いたのと、 流行りものに弱いので。
結論とても楽しめました。観てよかった。
一番よかったのが、YouTubeでたくさん上がっている、 ちいかわの
考察に参加できること。国際政治の観点や法律論や人間関係など
さまざま考察に参加できて、自分の画一的な思考が覆される感覚。
小説や映画って同じものを読んだり観ているはずなのに、 受け止める側は、
自分の経験や思考というフィルターがかかっているから解釈が異な って
当たり前ですが、 同じものを多くの人が同時期に観ていることは少ないので
普段はなかなか気づくことができない。しかしそれができたのが「 ちいかわ」。
これだけのヒット作になると、特定の属性ではなく、 いろんな人が観ているから
それに気付くことができたのです。これは「ちいかわ」 を観た最大のメリット。
人によって見えているものが違う。受け止め方も、解釈も違う。
だから「みんな違って、みんないい」で終わらせるのではなく、
自分には見えていないものがあることを知る。そのためには、 立場を変えて
多面的に見ること。そして、それを解釈するためには、 多様な知識も必要になる。
多面的に見ることと、深く考えるための知識を身につけること。
この二つはセットかな。
で、「ちいかわ」がメルマガ700号記念になりました!
【今週の1冊】
「二都物語」 1859年 ディケンズ著 中野好夫 訳
フランス革命前後の物語。当時の民衆の生活や思想がわかって
楽しめる。歴史の転換点、点というか世界にインパクトを
与えた事件の時、市井の人々は何を考え、どのような生活に
どのような影響を与えていたのか、一人ひとりの思想や
自由意志はそこにあるのか。考えさせられます。哲学的に
考えちゃいます。カントとショーペンハウアーの自由意志に
関する哲学論争を学ばなきゃ。
で、内容は面白いのですが、翻訳が全くダメ。海外小説の
当たり外れは翻訳が9割。ということで別の翻訳者の二都物語を
読まないと失礼に当たります。
村上春樹が海外で評価されているのも、 柚木麻子のBUTTER
(読んだので来週書きます)がイギリスで売れて売れているのも
優れた翻訳者のおかげ。
言葉を訳すだけでなく、 作者をリスペクトして新しいこの素晴らしい
作品を読者に届けたいという翻訳者とそのこだわりを理解している
編集者と出版社の総合芸術ですよ。翻訳本は。
北風と太陽
久しぶり、本当に久しぶりに朝から青空と秋の空。
いつの間にか季節が変わっていました。暖かい日差しがあると
自然に心が開いて気分が上がりますよね。太陽って偉大だ!
暖かさや明るさは簡単に人の心や気持ちを動かしてしまうことを
自分の体で感じてしまいました。
暖かさと明るさがあると日常のトラブルの大半は解決する
というかトラブルにならないんじゃないかな。
それを自分を振り返って見るとちょっと自信がない。
自分の周りの人に暖かさや明るさを提供できているのだろうか。
周りの人の暖かさや明るさをしっかり受け取ることができて
いるのだろうか。もしかして暖かさを冷たい北風で跳ね返して
いたことはなかっただろうか。
楽しい宴で天の岩戸も開いたように、暖かさと明るさと楽しさ
で満ち溢れた世界にしたいな。
【今週の1冊】
「BUTTER」 2017年 柚木麻子 著
先週の予告通りBUTTER。美味しいバターと新潟に行って
美味しいご飯が食べたくなります。
内容はそんな話ではなく、とある有名な殺人事件がテーマ。
その事件を題材に作者独自の視点で物語は進行していくのですが、
馴染みの場所がたくさん出てくることと、心理描写がうますぎて
どんどん引き込まれていく。
この本はイギリスでベストセラーになっているということで
読みたかったのですが、先週書いたように翻訳が超一流だった
のでしょうね。それこそ作者と翻訳者と出版社のこの本を
世の中に届けたい、多くの人に読んで欲しいという熱量。
ただ単に日本語を英語に翻訳しただけでは多分売れない。
間違いなく売れない。
そんなパッションを感じるのも紙の本の良さだよね。
温もりとか、手触り感だよね
最近AIのテーマが多いのですが今回も。
生成AI。使いこなせてるとは全然言えないのですが、
2日に1回はチャッピーにいろいろ相談してもらっていて
とても助かっています。実はこのメルマガも・・・。
というわけにはいかず、2,3ヶ月前に過去のメルマガを
読み込ませて、テーマを与えて書いてもらったのですが、
生成AI臭さが抜けず、というか納得できる文章に書き換える
ために結局今まで以上に時間がかかってしまって断念。
普段自分が使わない単語や言い回しは新鮮なのですが、
なんかしっくりこないんですよね。それに自分の頭を使って
いないので、多分書いた(書かせた)側から忘れるので、
一体何のために書いているのかわからなくなってしまうのです。
まだまだAIはそういう人が汗かいた温もりとか手触り感がない
とダメなのかな。ということでAI使わない宣言!ではなく、
そういう感覚をAIが習得するまでプロセスを楽しみたいですね。
だって、タブレットで注文して猫ロボットが料理を運んでくる
すかいらーく系は違和感ないし、なんか失敗も許せるから。
【今週の1冊】
「Xの悲劇」 1932年 エラリー・クイーン
ミステリーの古典。やはり読んでおかねば。ということで
楽しめました。舞台はニューヨークなのに途中までロンドン
だと思い込んでいて頭の中のイメージと文章がなかなか一致
せずにちょっと苦労。根拠ない思い込みは怖いですね。
で、ストーリー。防犯カメラもないDNA鑑定もない時代。
関係者の証言と地道な捜査を積み重ねて犯人に辿り着く過程は
面白い。ダイイングメッセージは森博嗣の「すべてはFになる」
にも繋がっていくし(多分)。顔を変えるのは、ミッション
インポッシブルのトム・クルーズ、いやイーサン・ハントだったり
ルパン三世だったりで、 100年前の小説のネタの広がりはすごいなと。
読んでよかった。

今月のパフェは横浜馬車道水信フルーツパーラーの栗のパフェ。熊本県山江の栗を使ってました。パフェももちろん素晴らしいのだけど、内装の素敵なこと!細かいところまで素敵なカフェです。

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