無駄の蓄積
コロナが明けて数年経ち飲み会が戻ってきた年末年始。
定期的な飲み会が復活したり数年ぶりだったりしますが、
季節が変わる節分に、そんな時に感じたことをふと思い出して
いました。
面白い人、楽しい人って無駄なことばっかりやっているなあと。
効率的だったり、なんとうまいことちゃっちゃとやろうとせず、
遠回りでも面倒なことでもしっかり自分で考えて、それでも
結局失敗してうまいこといってなくて。
それが蓄積してその人の魅力になっていっているんですよね。
なんというか、何も考えずに言われたことだけやっている
ような無駄なことではなく、すぐに正解が見つからない、
効率的なやり方がわからないことに自分で向かいあっている感じ。
それが結局その人そのものになって、いい感じになっている。
こうやって毎週メルマガ書いているのも、本を読んでいるのも
全く効率的なことではない(ビジネス本読まないし)けれども
何かの役になっているのかもしれないけれど、具体的な成果に
繋げようと思うと途端につまらなくなるから、好きなことを
好きなように続けようっと。
【今週の1冊】
「ベルサイユのばら」
1972年-1973年 池田理代子 著
もしかして初コミックかもしれません。
面白いとは聞いていて、文庫になっていたものはかなり前に買って
いたのですがやっと読むことができました。
文庫5冊集中して一気読み。あまりの集中していたので、
読みながら声を出していたかもしれません。
集中して読みたい時には図書館のような場所に移動しているのです が、
そんな姿に周りの人は驚いたかも、、、。
まだまだ読みたい小説もたくさんあるのに、コミックの面白さに
目覚めてしまったら大変なので、 次のコミックまでは少し間を開けますが、
小説や映画とは違う世界があることに今更ながら気づきました。
オスカルとアンドレが魅力的なことはもちろん、
世界史の理解をこのような形で深めることができるのはとっても
いいことですね。
民衆が立ち上がるタイミングは今なのかもしれない!
何のために?とか、目的を求めない
今、窓の外は明るい陽が降り注ぎ、とても綺麗です。
そんな時は、このメルマガの目的は何。何のために書いている
なんて目的はこれっぽっちも考えていません。
書きたいから書く。誰に強制されている訳でもなく、
書いたから何かが達成されることもないし、書かないと罰が下る
訳でもなく、ただ好きだから書きたいから書いています。
仕事も基本そうなのかなと思っています。
やりたいからやる。楽しいからずっと仕事をする。
誰かに評価されたり褒められたり、 やらないと怒られるからでもなく、
やりたいからやる。だって、仕事してると楽しくないですか。
頭使って考えて、何かできたりうまいこといったり、
一緒に働いた人と喜べたりできて。
ちょっと世の中、短絡的な成果を求めすぎているんじゃないかなと
思うのです。
今日は祝日。幼稚園の頃の友人に会います。
そんな時、何のために会うのかとか会う目的考えないですよね。
ただ会いたから会う。会ったら楽しいから会う。それだけ。
仕事もそんな感じになったらいいですよね。
【今週の1冊】
「そして誰もいなくなった」
1939年 アガサ・クリスティー著
青木恵 訳 早川書房
ミステリーの古典ですね。
密室での連続殺人事件。外部とは連絡が取れない状況で、
一人ひとり殺されていき、残された人の中に犯人が、、、。
「十角館の殺人」や「すべてがFになる」などなど、
数多くのミステリーの元ネタというか、影響を与えている
ストーリー。緻密なというか最初にこの設定を考えた発想力。
美術も音楽も時代を変える第一歩を作り出した功績は
計り知れない。この作品そのもの単品の評価ではなく、
この小説が生まれた時代、発表された前と後の世界観の違い。
そこを考えると本当に名作だということがわかります。
今年の夏休みは、無人島に旅行に行ってこの小説の世界を
味わいたいものです。
思考の不思議
先日の散歩中、 特に何か買う予定もなくふと入ったドラッグストア。
あ、 あれがそろそろキレそうだったから買わなきゃいけなかったんだ。
と思い出し、メーカー、容量、 機能や価格もがたくさんある商品群の中から
少し時間をかけて悩んで一つを購入。
家に帰ってその商品を見てびっくり。 全く同じものを買っているでは
ないですか! もしかしていつも同じ思考回路で無意識で決めているのかも。
これって、マーケティングの勝利なのでしょうか。
誰からも強制されていないし、 テレビは全く見ないのでテレビコマーシャル
で刷り込まれたはずもないし。どういう原理なのでしょうか。
かように人の思考は固定化されてしまうものなのか、 とても不思議な感覚に
なってしまったのです。
少し日常行動を変えてみる努力をしないといけませんね。
会う人話す人、移動するルートや手段を変えてみるとか、 予期せぬ誘いには
断らずに乗っかってみるとか。 避けてきたことに心を開いてみるとか。
人って知らず知らずのうちに心も体も固まって来るんでしょうね。
まずは、今まで触れていなかったようなジャンルの本を読んだり
映画をみてみようかな。
さて、私が買ったものは何でしょう。
季節外れの日用品です。花王の製品でした。
【今週の1冊】
「冷血」
2018年 高村薫 著
新潮文庫
高村薫を読み始めるにはタイミングを考えないといけません。
そう、はまってしまうから。
移動中の電車の中、入浴中にも本を持ち込み、その世界に没頭
しないといけないのです。否、没頭してしまうのです。
一家4人殺害事件の犯人を追う小説ではなく、 犯人の心情を読み解く
物語でもなく、警察内部の闇が主題でもなく、 圧倒的な取材によって
成り立つ高村薫の小説は凄まじい。
「レディジョーカー」「マークスの山」とも違い「照柿」 にやや近いかな。
緻密な取材に裏打ちされたあ文章力に圧倒されます。
ちなみに被害者の勤務先である、 都立豊島病院には数年通院していたので
その空気、光、匂いがまざまざと記憶に蘇り、 それも相まってこの世界に
数日のめり込んでしまいました。
もうすぐ春ですね
酷かった花粉症も早めに薬を飲み始める習慣が身に付いて、
そこまで悪化するようなことがなくなって数年経ち、
最近は春が待ち遠しくなってきました。
日差しが暖かくなってきて、枯れ木から芽吹いてきて、
街の中に少しづつ色が戻ってくる。花粉症の時は、
それを隠してしまう涙と鼻水で憂鬱だったのですが、
薬のおかげで解消することができて心から春を楽しめます。
ということで、これから一気に新入社員研修の準備が
始まります。毎年新人に出会うと感じるのですが、
最近の若者はとてもしっかりしているし優秀だし、
物事をよく考えているし、仲間を大事にする。
これってそれまでの教育の成果であり、社会全体がいいことの証
なんだろうなということ。
まだ青々とした新鮮な芽を潰さないように自分たちは何ができるか
自分自身を新しく磨き直す必要がある。と感じる今日この頃。
春っていいですね。
【今週の1冊】
「お目出たき人」
1911年 武者小路実篤 著
新潮文庫
これ小説ですよね。こそっと隠れて書いていた日記が
ストーカーして捕まったから一目に晒されることになった訳じゃ
ないんですよね。と思うくらいに時代を感じさせないくて面白い。
「白樺派」なんですよね。有島武郎や高村光太郎、志賀直哉。
こんなメンバーで集まり作ってわちゃわちゃやっていたって考える と
とても楽しかったんだろうなと想像できる。
時代もあるけど仲間って大事。
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