もうすぐ春ですね /2024年3月

今、そこにあるヒント

もうすぐ春ですね

2月も後半。いや!もう3月ですよ。今年も6分の1が過ぎて
しまっていました。早いものです。
そして春。春といえば花粉。ここ数日、特に今日は花粉が
ひどく目が痒いし、鼻水出るし。辛い時期がしばらく続きます。
来年こそは、この季節は花粉がないところに逃げ出そう!
と思っているのですが、踏ん切りがつかず体が動かない。
仕事のほとんどがオンラインになった今の働き方では、
やろうと思えば問題なくできるはずなんですよね。
それでも体が動かない。慣性の法則、現状維持バイアスは
強いものです。

これから現状を変える、新しいことに踏み出すエネルギーを
蓄えていこうと思います。それは何か。
やっぱり、いろんな人に会って、刺激を受けること。
そう考えるとしばらく冬眠していたのかもしれません。
会う人はとても限られていましたからね。

春になって暖かくなって、心も体も軽やかになる今。
少し活動領域を広げていこうと考えています。

【今週の1冊】

「風が強く吹いている」
三浦しをん 著
2006年 新潮社

3月3日は東京マラソンでしたね。今年もランニング仲間が走る、
ということで応援しようと思って思い出したこの本。
10人ギリギリの人数で箱根駅伝を目指す大学陸上部の話。
10年以上前に読んでとても感動した記憶そのままに一気に読破。
結果は知ってるのに二度目も感動。思わず涙、、、。
あり得ない展開ではあるのですが、一人ひとりの人物描写が丁寧で
それからのレース展開。
箱根駅伝のコースはリアルによくわかっているので、
映像が頭に浮かぶ。ということで、いい小説は読む人の頭を
使って一緒に作り上げていくものだということがよくわかります。

そんな大きな期待で見た映画はちっとも面白くなかった。
原作を超える映画化って難しいよね。この映画も監督は
原作を読み込んでいない、解釈が違う。そこじゃないんだよな。
と。

いい映画が見たい。

 愛の反対は、、、

今年も新入社員研修の時期が近づいてきました。
そんな3月は新人を思い浮かべながら研修プログラムを
考える時期。この受講生をイメージしてプログラムを作って
いくのが楽しいんですよね。
何を伝えるのか、どう伝えようか。どんな言葉なら伝わるのか、
その流れはどうしたらいいかを考えていく。
そしてそれを言葉にしていく。そのプロセスがとても楽しい。
その時気をつけているのが、自分の言葉になっているかということ

例えば、愛の反対は憎しみではなく無関心。ということを
さも自明の理のように使ったりする人がいますが、それが要注意。

愛の反対は、人によっても違うし、同じ人でも状況や環境によって
異なるはずなのです。
誰かが言った言葉を鵜呑みにしてしまうことの怖さをわかって欲しい。
言葉は自分のもの、自分の中から自然と湧き上がってくるもの。
だからこそ、たくさんの経験をして感情を動かし、いろんな情報を
インプットして、自分の言葉としてアウトプットする回数を増やし
いくことが必要なのです。
自分の言葉として、一度世の中に晒されることで反応が生まれ、
その反応を受け止めて、言葉が磨かれていく。

その第一歩が、「愛の反対は憎しみではなく無関心」のような
言葉を聞いて鵜呑みにせずに、自分に問いかけて自分の言葉を
見つけていこうとすること。
ということで、新人にはこのメッセージを伝えます。
「自分の言葉を持とう!」

東日本大震災から13年。もう13年、まだ13年。
あの日のショックは今でも鮮明に蘇ります。社会は変わったのか
自分自身はどうなのか、毎年振り返って問い続けていきたいと
思います。

【今週の1冊】

「きみの友だち」
重松清 著
2005年 新潮社

重松清は泣ける話が多いのだが、これもじんわりじんわり
心に響いてくるね。中高生の時って自分自身でも成長を感じる
ことができて楽しいけど、それって個人差があるから成長スピード
も感じ方も違うから傷つけ合うことも、自分が傷ついて悩んで
しまうことも多くて、生きづらかったり、思春期ってめんどくさい
よね。大人になってからはいい思い出だったりがほとんどだけど、
その瞬間はそんなこと考えられず、もがいているだけだったなあ。
と、そんな記憶が蘇ってきて、中学時代に戻ってみたいと感じて
しまいます。

継続は成果の元

先日、3年間続けたとある取り組みが終了。とても大きな
成果を出すことができました。成功の要因は継続すると
最初に決めたこと。
スタート時にプロジェクトオーナーが、この取り組みは
絶対に3年続ける!という宣言し、3年続けるために
根回しして、自ら動いて、周囲を説得し、その熱意に
周囲も少しづつ理解を示し、態度が変わり、、、。
なのですが、1年目には大きな成果は現れず、否定的な
意見も出てくる中で、プロジェクトオーナーは意思を貫いて
やり方を少し変えて、2年目、3年目に突入。そして成果。

3年って長いようで短い。なので、意思を持って3年続けたら
大抵のことは成果が出ると信じているのですが、その3年を
待てない会社や組織が多いのも事実。成長している会社、
変化に対応できている組織は、この時間の感覚がわかって
います。
人の意識や考え方はすぐには変わりません。仮にすぐに変える
ことができるものは、またすぐに別のものに変わってしまう。

ということで、大事なことは時間をかける必要があるし、
その時間を待てない人や組織も多いので、継続できる力を
持っている人や組織は成果という果実を手にすることが
できる。

ということで、このメルマガも続けているので、果実が実っている
ことを実感しています。そして本を読み続けることも私自身の養分
なってきていてそれもいい感じ。

【今週の1冊】

「太陽待ち」
辻仁成 著
2001年 文藝春秋

そろそろ楽しみながら読む本も無くなってきたかなと
ちょっと思っていたりしたのですが、反省です。
まだまだ全然です。読書に終わりはありませんよね。
だって、辻仁成も2冊目だったのですから。
「サヨナライツカ」を面白く読んで、期待した映画がガッカリ。
それで辻仁成から遠ざかっていました。
そんな辻仁成のフランスでの息子とのつながりを知って
読んでみた「太陽待ち」。村上春樹的でもあり、、。と
思ってレビューを読んだら、やはりその感想が。

ただ、タイトルは「ルーズマイメモリー」の方がよかったかな。
装丁とタイトルが違っていたら5倍は売れていて、辻仁成の
代表作になっていたと思う。もったいない。
さらに、「サヨナライツカ」の映画化がうまくいってたら
もっとベストセラー作家になっていたはず。いい原作の映像化は慎重に。

自分が見ている世界はこんなに狭いのか

渋谷の街が激変していますね。
駅の乗り継ぎではほぼ毎回迷子になってしまうので、
20分くらい余裕を持って出かけないと大変なことに。
先日も案内板に従って外に出たら、思っていたところとは
全然違う場所。辛うじて知っているビルがあったので、
助かりましたが完全なお上りさん。
外に出たら出たで、いきなり新しいビルが出現していて
パラレルワールドに迷い混んだような感覚。
一方、毎日渋谷に出かけている人にとってはその変化は
緩やかなので感じ方は全く違うのでしょうね、
だって1ヶ月やそこらで高層ビルができるわけないんだし。

自分が見ている世界は本当に狭い。閉じこもっている間に
世の中は変わっている。東京の中でさえそうなのですから、
日本全体、さらに世界に目を向けたら3年前とは違う状況が
生まれている。ただそればいきなり変わっているのではなく、
時間も場所もつながっている。過去の延長線上の未来であり、
過去から未来につながる一瞬が今。

何かを語る時、その流れを知って、自分が見ている、見えている
世界がどんなに狭いのか。そんな自覚が必要ですね。

知らない世界が自分の周りに満ち溢れていると考えると
ワクワクしてきます。

【今週の1冊】

「白い巨塔」
山崎豊子 著
1963年 サンデー毎日連載

田宮二郎と唐沢寿明のイメージと教授選を巡る、医局内の権謀術数
のドラマ。五郎といえば財前ではなく今は井之頭だよな。
まあ、それでも一度は読んでおいた方がいいかなという軽い気持ち
読み始めたのが間違いでした。面白い。とにかく面白い。
60年前の作品とはとても思えず、目の前で財前五郎が、里見修二
東貞蔵が生き生きと動き出す。手術、教授選、学術会議選。そして裁判。
それが絡み合い、財前始め登場人物の人となりが克明に描かれるに従い、
外科医としての腕はピカイチだが傲慢な財前に共感を覚え、
応援している自分がいました。最後は思わず涙が。
考えさせられるシーンがたくさんあり、この本をみんなで語り合いたい。
いい本に出会えました。
山崎豊子は、「不毛地帯」「沈まぬ太陽」と、読んでいてなぜ今ま
白い巨塔を読んでいなかったのか。もしかした手術を控えた今だか
読むべきタイミングだったのかもしれません。
名作です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました