時間の感じ方/2022年6月

今、そこにあるヒント

時間単位から仕事単位へ

昨日のサッカー日本代表のブラジル戦。雨の中での良い試合でしたが、
もし日本が勝ってもジャイアントキリング。勝てる試合ではありません
でしたね。ブラジルの圧倒的な余裕。90分という決められた時間
決着がつく仕事のエネルギー配分が絶妙。そして、この試合から
これから仕事の価値を考えさせられました。

仕事の成果は時間では測ることができない。ということ。

1時間仕事をしたから評価されるのではなく、この仕事をしたから評価
する。という時代にこれから変わっていくのでしょう。

新人の頃を思い出します。売れない営業マンでした。売れないから
いつまでも会社に残って、リストを整備したり先輩にロープレを
お願いしたり、、、。つまり仕事ができないから残業せざるを得ない。
その結果、残業手当が出て、売れていてさっさと帰っている先輩よりも
給与が高くなっていたことも。サービス残業は会社も認めないので
会社に残って仕事をしていたら残業申請をしないわけにはいかず、、、。

今、リモート勤務という新しい働き方の形態が一気に広がり、瞬く間に
市民権を得ました。そうなると問題になるのがその働き方の評価。
リモート勤務では、働いている姿をタイムリーに見ることができませんから
そして、その答えは時間ではなく成果で評価する。ということ。
当たり前のことですが、仕事は成果を出してなんぼ、なのです。

私の場合、新人の時に時間ではなく成果で評価されるということが当たり前
だったら、残業代を気にすることなく、もっと仕事をしていたかもしれません。
ある程度仕事ができるようになったら、成果を出してさっさと帰って、
より大きな楽しい仕事のための活動をしていたことでしょう。

そう、これから仕事の成果を時間単位で評価することのおかしさに
気づいて、評価の仕方を変えた会社が伸びていくのでしょうね。

【今週の1冊】

「人生論ノート」
1938年~1941年 三木清 著

「死について」から「個性について」まで23のテーマについての考察。
半分も理解できていませんが、通して読んでいると感じるものがある。
それをその時に自分に照らして、そのメッセージをどのように受け取る
のかを考える本なのでしょう。

人間はいつの時代も同じ悩みを抱えているんだなということが半分
そして時代によって変わっていく、、、少し時代からずれているかなと、
感じてしまうことが半分。

人は変わらない。人は変わっていく。哲学的な問いは面白いものです。
哲学って不変なものではなく、受け取る側のその時の状況によって
異なるし、その時代によっても異なる。その哲学的な問いで遊んで
みたいものです。

正解が無い世界

月に入り新入社員研修の季節になりました。毎年新入社員から
若いエネルギーが溢れていて元気をもらうことができます。

正解がわからなくなった時代に社会に出ていく新人は大変です。
と言われますが、今まで正解がわかっていた時代ってあったので
しょうか?こうすればこうなると先が見えていた時代。みんなが
その正解に向かっていた時代。

そう、そのような時代は今までもありませんでした。
今も昔も、1年後のこと3年後のこと5年後のこと、未来は
誰にもわからない。
過去を振り返ると正解があったように思えるだけなのです。

ということで、いつの時代も新入社員に伝えていることは、
「自分で考えること」「自分の頭を使って考える」こと
正解はない。未来のことは誰にもわからないから。
だから自分で考える。
新人には早くからその習慣を身に付けて欲しいのです。

自分で考えるためには何が必要なのか。を考えてそのために
議論する、行動する、経験する、勉強する、、、。
そして、今までの自分の常識を疑い、書き換えていく。
それは何よりも自分の豊かな人生のために。

なんてちょっと青臭いことを新人に語ったりしているのですが、
実は、新人だけでなく多くの人に伝えていきたいのです。

何のために仕事をしているのか、この仕事の意味は何か
そんな本質的なことを突き詰めていけば、無駄な仕事は
なくなっていくだろうし、みんなもっと楽しく仕事ができる
のではないかと思うのです。

さあ、新人が配属されてくるまでに、自分の仕事を見つめ
直してみませんか。

今週の1冊】

「コロナ時代に、オンラインでコーチングをはじめてみた。」
2022年 泉一也、浅田美里、松本瑞代、星野良太著
Kindle版

タイトル通り、コーチングに関する本なのですが、
コーチングを行っている4人の語りが自然でとてもしっくりきます
自称「野良コーチ」とコーチングの資格を持っていない人がいたり
利他が素晴らしいと話を綺麗にまとめるのではなく、利他も結局
自分のためではないかなど、そうだよね。と共感できる会話が満載
ということで、みんなが自分自身を幸せにすることを
考えたら世の中良くなるということがわかる時間を提供して
くれました。

時間の感じ方

なんと今回500号!
いつから毎週発行するようになったのか、記憶が定かでは
ありませんが、ほぼ10年間よく続きました。
そして5年くらい前から今週の1冊もスタート。我ながらすごい。

10年続けることで自分の糧になっていること
・いつもネタを探しているから世の中の動きや出来事に敏感になる
(こないだ話したことがネタになってる。という人も)
・自分の言葉にすることで思考が整理される
(散歩と同じ効果ですね)
・時々、読んでますよ。と声をかけてくれたりメールが来たり
(実は結構嬉しい)
・忙しくてもなんとか時間を作って本を読む習慣がついた
(これ、とっても大きな収穫)
・有言実行のためにここに書くといいプレッシャーになる
(スクワットはまだ習慣になっていない、、、)
・多分、少しは仕事にもつながっている
(数年ぶりとかに連絡があって仕事になったり)

この10年長いようで短かったような気がします。
その時間の感じ方なのですが、2022年もすでにほぼ半分が終了
ここ数年は本当にあっという間に時間が過ぎる。歳をとってきた
からそう感じるんだよね。と思っていたのですが、
先日ある人と話をしていた時、その人は「今年は長く感じる」と。
その理由を聞いてみると、今年は今までになく新しいことを始めて
困難な体験がいくつかあったから、そのせいかなと。

そうだったんだ!時間が短く感じるということは、新しいことを
何もやっていない。ということだったんだ。と気付き愕然として
しまいました。子供が時間を長いと感じるのは、初めての経験が
多いことも理由のようですからね。

もちろん研修という仕事は毎回違う人が対象で、ライブだから
完全なルーチンではないけれど、今までの経験やスキルを
使ってできる仕事だから初めての経験かとと問われれば
明らかにNO。

あー!最近全く新しいことにチャレンジしていなかったことに
気がついてしまいました。
何か新しいこと始めなきゃ。そして今年の後半は長かった!と
感じるようにしたいですね。

時間が短く感じる研修は、時計を気にしないくらいに
集中して楽しい研修なので、それはキープします!

来週は501号。1000号までいけるかな。

【今週の1冊】

「認知バイアス 心に潜む不思議な働き」
2020年 鈴木宏昭 著 講談社ブルーバックス

最近「アンコンシャス・バイアス」が一気に認知度をあげて
きていますね。そして、「アンコンシャス・バイアス」研修の
要望も増えてきています。
しかし、バイアスはこれだけではありません!ということは
みなさんよくご存知ですよね。ということでバイアスに関する
知識をアップデートしてみました。

いやいや、人のモノの見方、考え方、行動はバイアスだらけ。
それは脳がなせる技でもあり、生きる知恵でもあり、
人はどれほど先入観に囚われ、偏見を持ち、自分が好む方向に
誘導しようとしているのか。なんとも非合理的な生き物なのでしょう。

アンコンシャス・バイアスの研修の時にいつも伝えていますが、
「自分は偏見がない。バイアスに囚われずに正しくみている」
と思うことが目を曇らせる。

自分が見ている世界と他の人が見ている世界は全く違うから
本当に面白い。

【今週の1本】

「グッド・ウィル・ハンティング」
1997年 監督 ガス・ヴァン・サント
主演 マット・デイモン / ベン・アフレック / ロビン・ウイリアムズ

マット・デイモンといえば、「オーシャンズシリーズ」「ボーンシリーズ」
ロビン・ウイリアムズといえば、「今を生きる」だったのですが、
この映画がそれぞれ超えたかも。
SFでもアクションでもないハリウッド映画もとても良い。
ほとんど会話だけで進行するストーリー。その会話で関係性が
少しずつ変わっていく。ドストエフスキーの圧倒的な会話量に
魅了されるのに似ているかも。

そうそう、脚本もマット・デイモン / ベン・アフレックなのです。

小人の靴屋

ロナが日常になってきて、リモート勤務から元の働き方の戻りかけて
きている今、NTTが3万人をリモート勤務を基本とする。出社も出張扱い。
そして出社の時の飛行機代も支給。とのニュースが入ってきました
詳しい運用は分かりませんが、新しい働き方がやっと本当に始まった。
そんな気がしています。
もう一つ、厚労省は副業を制限する場合は、その理由を開示するよ
企業に促す方針を出すというニュースも。

そうなると、働き手と企業(雇い主)の関係、評価の仕方も大きく
変わっていきますね。リモート勤務で副業OKとなると、勤務態度
などを評価する意味はなくなり、アウトプットをストレートに評価
するようになる。そして、そのアウトプットもその個人の成果で
ある必要がなくなってきます。個人がどのように働いているか
分かりませんからね。

そう、新しい靴をAさんに注文しても、その靴を作っているのは
小人かもしれないし、仕上がりがよければ何も問題はないのです。
このような世界は、個人でネットワークを作ることができれば、
今までの何倍ものパフォーマンスを上げることができる。
とてもいことのように感じますが、そこに今までの評価制度が
そのまま運用されるとこのメリットを生かすことができないのです

時代に合わせて、制度は変わります。そして、それは時代の後追い
ではなく、先んじた方が大きなメリットを享受することができる。
しかし、最初は試行錯誤でもちろんそのリスクもある。
ということで、リスクを十分に検討し、それでも前に踏み出す企業
先にいける。

混沌とした、変化の時代こそ、成長の時代なのです。

【今週の1冊】

「ジェニイ」
1979年 ポール・ギャリコ 著 古沢安二郎訳 新潮文庫

少年ピーターは事故のあった。そして意識が戻ったら猫に
なっていた。その猫になったピーターの物語。ジェニイは
猫になったピーターのガールフレンドであり、ピーターが猫に
なるための先生。ポール・ギャリコは元々猫で、人間になったのか
というくらい猫の世界。猫っていいなあ。飼いたいなあ。
猫の毛アレルギーなので無理なのですが。

そんな猫、村上春樹の小説にもたくさん出てきますね。
そろそろ、村上春樹が読みたくなってきたのかな。やれやれ。

【今週の1本】

「トップガン・マーヴェリック」
2022年 監督 ジェセフ・コシンスキー
主演 トム・クルーズ

全米が泣いた!トップガンの続編いよいよ公開。
初IMAXシアターで堪能してきました。オープニングから泣きました。
アイスマンとの再会には号泣しました。
クライマックスのシーンでは、手に汗握りました。
ということで、最高です。ネタバレしたくなるのですがガマン。
戦闘機のシーンは、CGではなく実写とか、クライマックスのシーンは
スターウォーズを彷彿とさせたり、とにかく楽しめました。
前作は3回は見ているので、懐かしいシーンが出てくるので
それも胸が熱くなるのですが、「ペニー」って誰?

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