苔香園~芝公園~

街歩き

今回の街歩きは、「今週の1冊」とのコラボ企画。

小説を読んでいると行ってみたい場所が増えるんですよね。
ということで、有島武郎の「或る女」の主人公の葉子がアメリカから帰ってきて
(船でアメリカ行って帰ってきただけ!)住むことになった苔香園を散策。
或女には、「東京の内とは思われないような静かなひなびた自然の姿が葉子の目の前には見渡された。まだ晴れきらない狭霧をこめた空気を通して、杉の葉越しにさしこむ朝の日の光が、雨にしっとりと潤った庭の黒土の上に、まっすぐな杉の幹を棒縞のような影にして落としていた。色さまざまな桜の落ち葉が、日向ひなたでは黄に紅に、日影では樺かばに紫に庭をいろどっていた。苔香園から薔薇の香りが風の具合でほんのりとにおって来たりした。」と書かれています。
 
さて、その苔香園があるのは芝公園。もう地下鉄の出口から緑が溢れ、広域避難場所にも指定されています。
そして芝公園といえば、東京タワーと増上寺!東京マラソン、箱根駅伝のコースでもありますね。
新緑あふれる芝公園から少し浜松町駅の方に入ったところに苔香園が佇んでいました。今はこのビルが名前を残しているだけではあるのですが、以前はこの一帯全部が芝公園で、その中に苔香園があったと思うと想像力が膨らみます。
緊急事態宣言下ではありますが、久しぶりの晴れ間に外を歩くのはとても気持ちがいい。
 
帰りは、オープンテラスのレストランにちょっと寄って帰りましょうか。

梅雨のような日が続いていたので、さわやかな新緑がとても清々しいですね。「葉子」が住んでいた杉の木に囲まれた家は、このあたりだったのですね。

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