黙って見ている効果
最近リモートワークから出社に切り替える企業のニュースを
目にするようになりました。特にアマゾンやメタなどアメリカの
超巨大IT企業。
このニュースに流されて、うちもリモートワークをやめて、
全員出社に切り替えるぞ!と考えたらそれは危険。
まず、その状況を詳しくみていかないと本当のことはわからない。
そもそも国土が広いアメリカの中での働き方がどうなっていたのか
タイムゾーンが4つもあるし、 西海岸と東海岸では気候も大きく違うし。
ということで、一つの情報を鵜呑みにしてしまうのはやめた方が
いいのですが、人の特性として考えておきたいのが、
ほとんどの人は自分に関心を持って欲しい、見ていて欲しい。と
思っているということ。
一人で仕事をする方が集中できる人もいれば、大勢の中に
いた方が集中できる人もいて、それは人それぞれなのですが、
自分がやっていること、やったこと、成果、頑張っている姿を
見てくれている人がいると、それだけでも嬉しいし、頑張れるもの
なのですよ。
リモート勤務で欠けてしまいがちなところがここで、
周りにすぐに話しかけたり、相談できる人がいないだけでなく、
なんとなく見てくれている人がいないと寂しくなってしまう。
なので、敢えてそういう時間を作る必要があり、 それが適度にあるだけで
リモートワークの効率は格段に上がるのです。
評価を求めているのでもなく。ただ見ていて欲しい。 そういうもの。
リモートワーク否定派の多くは、年齢も高く、 役職が上の人が多いのですが、
実はこういう人こそ、 周りから見てもらって関心を寄せて欲しいのです。
だから、周りに人がいないリモート勤務を否定的に捉えてしまう。
ということで、リモート勤務に消極的だったり否定的な偉い人が
リモートワークしている時に、ちょっとオンラインで声をかけて
みたりするととても効果的。だって、俺のこともっとも見て! という人たち
なのですから。
同じ時代に生きている奇跡
どうしても見てしまいますよね。大谷翔平。
生まれ持った才能に加えて、日々の鍛錬のおかげであることは
想像がつきますが、 仲間や先輩後輩などたくさんのいい人に囲まれて
今の成果が出せていることは間違いない。
そして時代と世の中の巡り合わせも欠かさない。
今から29年前1995年の野茂英雄の大リーグへの挑戦がなけれ ば、
大谷の活躍も(昨日のダルビッシュとの対決も)観ることは
できなかったのでしょうね。
そのくらい30年前の挑戦の影響は計り知れないものでした。
野茂が投げる時は、テレビに齧り付いていました。
飄々と黙々と長続ける野茂の投球、大好きでした。
ちょうど長男の出産と重なり、産婦人科の待合室でずーっと、
野茂を応援していたことが懐かしい。
そう、 そんな時代を切り拓いた野茂とそれを大きく開花させた大谷と
同じ時代に生きている奇跡に感謝しなきゃ。
人は人に多く影響を受けているんですよね。
さあ、何かに挑戦しよう!そんな気持ちになってきます。
【今週の1冊】
「流れる星は生きている」
藤原てい 著 19494年
終戦。満州の新京(長春)からの引き揚げの話。
ノンフィクションなのか小説なのか、つまりどこまでが
真実なのか理解できないけれど、なんとも壮絶なドラマ。
終戦時に私の母親も満州から引き揚げてきたので、
同じような思いをしたのかと思うと胸が苦しくなる。
もっともっと話を聞けばよかった。ゆっくり話をしたかった。
空を見上げて
今週一週間は、日没後の西の空を見上げてみよう!
紫金山・アトラス彗星を観察することができるはず。
目印は金星。ということで今週はものすごくワクワク。
実は子どもの頃の夢は天文学者になることだったのです。
そんな私のことはどうでもいいですが、こんなチャンスを
逃す手はありません。
世の中何かと騒がしく、忙しい毎日が続きますが、
少し夜空を見上げているのもいいのではないかなと思うのです。
そんなロマンを感じながら、今週はここまで。
【今週の1冊】
「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」
2017年(初版発行1983年)
アンドリュー・S・グローブ 著
小林 薫 訳 日経BP社
当時インテルの社長だったグローブ氏が40年以上前に書いた
マネジメントの名著。
私がビジネス本をあまり好きではないことは、界隈では
知られていますが、この本はお勧め。
マネジメントは管理監督とか、部下をコントロールすることとか
おかしなことは一切書かれておらず、実務的でかつ本質的。
間違いなく、マネジメントのノウハウが詰まっています。
こんなトップがいたらインテルも成長するはず、、、。
だったのですが、ここ数年のインテルは一気に衰退してしまい、
2024年第1Qだけで2,400億の赤字。 年末までに従業員の15%、
1万5,000人以上人員削減。
どんなに優れた経営をして採用、育成に力を入れても
大きな流れを読み誤るとこうなってしまう怖さ。
もちろん、これからの復活の可能性もある訳ですが。
とはいうものの、この本は紛れもない名著です。
やっぱり餅は餅屋です
秋は一瞬で終わって冬になったかと思ったら、また夏かよ。
と油断させて冬がやってくる。さすがに季節の変わり目です。
行きつ戻りつ季節は変わる。
「一日一歩三日で三歩。三歩進んで二歩下がる」ですね。
進んでいるようで後戻りしながら、確実に変わっていく世の中。
ということで、将来を見据えて、バリバリ現役のビジネスマンの
講師を増やしている真っ最中なのですが、その方々が素晴らしい。
それぞれ専門領域があって、餅は餅屋、そのカテゴリーの知識、 経験と
それに基づく知見が素晴らしい。
私がやることは、 その専門性を活かしながら領域を少し広げていただく
ことと、私の専門分野を融合させていくこと。
これが組み合わさるととても強力な素晴らしいコンテンツが生まれ る
ことにやっと気付来ました。
その瞬間って、なんともいえない高揚感に浸れますね。
さあ、乞うご期待。
さて、彗星は東京からもしっかり見えました。
感激でした。これで人生やり残したリストが一つ消え、
残すところ、あと少し!
【今週の1冊】
「細雪」
1943年 谷崎 潤一郎
集中して読んでしまいました。 この世界にどっぷり嵌ってしまいました。
文庫本でも上中下3巻1,000ページを超える大作。
何かビジネスの参考になるか、、、。なりません。
人生の教訓になることが書かれているか、、、。 書かれていません。
それでも、それでも、読んでよかった。
やはり小説は偉大です。痴人の愛も傑作ですが、これもまた傑作。
ドストエフスキーの会話主体の小説も引き込まれますが、
谷崎潤一郎の書きっぷりも心を揺さぶります。
最後の最後、本気で泣いてしまいました。
次は、谷崎潤一郎訳の源氏物語、「谷崎源氏」ですね。
何気ない毎日
なかなか天気が安定しません。寒くなったり暑くなったり、
晴天の日は続かないし、、。これって、季節の変わり目だから
ですよね。
さて、そんな天気と同じように世の中も変わり目なのでしょうね。
だからこそ、 何気ない日常を満たしていきたいと考える今日この頃。
ちょっとした仕草、なんてことはない一言で気持ちが変わったり
するのが人間、ですよね。
先週読んだ「細雪」も今週の2冊も何気ない日常が書かれたもの。
北海道の山の中で羆を撃つとか、一人でバングラデシュに行って、
バッグを作るとか、 それだけを取り上げると強烈な非日常なんですが、
そこには誰か(動物も含めて)がいて、 その人たちとの関係性の中で
毎日は淡々と過ぎていく。
だからその日常を大切にしていきたいなと思うのです。
【今週の1冊】
「羆撃ち(KUMAUCHI)」
2009年 久保俊治 小学館
純粋にひたむきにただ山に生きる。猟をする。
羆を追い、撃ち、命を慈しみ、肉を貪り、毛皮を剥ぐ。
気配を消し、五感を研ぎ澄まし、自然と一体になる。
その営みの相棒を見つけ、育て、一緒に生きていく。
とても真似はできないし一日たりともそのような生活は
できそうもありませんが、この本を読んでいる間は、
自分も北海道の森の中で羆を探し、鹿を撃っている感覚になる。
自分の感性に素直に従うことが、大きなエネルギーを生み出し、
周囲を感化させていく。
ということでもう一冊
「裸でも生きる」
2007年 山口絵里子 講談社
読み始めた最初の辺りは、これはハズレか。軽く読んで、
ここには書かないリストに入れるつもりが、読み進めていくうちに
その熱量に心動かされていました。
羆撃ちの作者と同じで、周囲の評価を全く気にすることなく、
自分の思いに素直に従って動くだけ。 近くにしてもすごいエネルギーを
感じるんだろうな。ということが伝わってくる。
だって、冷静に考えたらどうしてそんなことやるのか、 やり続けるのか
わからないのに、辛いはずなのに楽しそうにやっているんだもの。
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