スズメの違い
春です。突然暖かくなって一気に桜が開花。
それからの真冬並みの寒波到来で、満開まで足踏みですが、
今日は多くの企業で入社式。新入社員のみなさん、
入社おめでとうございます。働くって、社会人って楽しいことを
感じてもらう新人研修のスタートします。
今年も多くの新人のみなさんに会えるのでとても楽しみです。
そんな新人のみなさんに伝えたい、モノの見方。
同時に全体を大きく、俯瞰的に見ること。
さらに、小さく細かく違いを見る目を養うこと。
その上で自分は今どのレンズを使って見ているかを認識しておくこ と。
先日、桜の中で、つがいらしいスズメが仲良く遊んでいたのを
目にしました。たくさんいるスズメの中でどうしてこの二匹は
仲良くなったんだろう。 どのスズメも見た目も変わらず同じなのに。
そう思った次の日、偶然自転車のハンドルの三匹のススメが仲良く
ちょこんと。写真を撮って大きくして見たら、 全然違うじゃないですか!
毛並みも色の入り方も模様も、、、。
見る視点を変えることで見えるものが変わってくるんですよ。
で、これはいつも細かく( 最近はよく解像度高くという言葉が使われますが)
見ることが大事だということではなく、 その時の状況に応じてどんな解像度で
見る必要があるかを理解して、レンズを変えること。
そして、外からの情報は、 どの解像度で語っているかを一旦冷静に受け止めること。
例えば、よく欧米ではと言いますよね。 それを鵜呑みにするのではなく、
そのくくりは適切なのかを考えて欲しいのです。
ヨーロッパとアメリカは全然違うし、北欧も中欧も南欧も違うし
アメリカも西海岸と東海岸、内陸部は違う。 とそんなことを言い始めたら
キリがないので、ここはどの括りで語る、分析する、 考えるのが適切なのか。
スズメとハト、カラスの違いを論じている時に、 スズメも個性があるのに!
といってもしょうがないですよね。それはそれで重要な時はある。
ということで、様々なレベルで見ることを意識して欲しいことと、
自分の専門領域はとことん細かいところまでこだわって把握するよ うに
深掘りしてください。
広げるそして深める。 その両方を極めようとするととても時間がかかります。
それを仕事を通してやることができる。 仕事って本当に楽しいですよ。
【今週の1冊】
「検事の本懐」
2011年 柚月裕子 著
角川文庫
「狐狼の血」が面白かったのですが、 2冊目まで少し間を空けての柚月裕子。
正義感あふれる検事が主人公の短編集。 最初の一編を読んだ感想は、
これは完成原稿ではなく、長編を描く際のプロットかなと。
しかし、 それぞれのプロットが重要なエピソードになり一つの小説に。
これはこれでありかな。
ということで、 この主人公が主役になって様々な事件に関わっていく
エピローグだと思うと面白い。
軽く読めるから箸休め的に重たい小説の合間にこのシリーズ読んで みようかな。
コンフォートゾーンを抜け出す
3月中旬から続いた寒暖の激しさも安定してやっと気候も
安定してきました。これが『春!』ですね。
2月からのスギ花粉も落ち着き、これからGWまでは
爽やかな空と風が楽しめるので、心躍ります。
ということで新人研修はまだまだ続きます。
そんな新人を見ていて思うのが、
「コンフォートゾーン」を抜け出す大変さ。
今までずっと学生だったから、快適な学生生活を送るために
意識や行動を調整して心地よい状態を作っているから、
それを変えないといけない。
例えば、指示の受け方。新人は基本的に指示待ち。
だってその方が楽だし、周りもそれを求めているから。
それがいきなり、主体性を発揮しろ!と言われたり、
指示を待たないで積極的に動くことを求められたり。
ただ、人間って適応力が無茶苦茶高い。だからあらゆる
生物の中で生き残り、増え続けている。
なので、本当に主体性を求めていたら、結構簡単に
変わっていくのです。そのために必要なのは、指示を出す側が
コンフォートゾーンを抜け出すこと。
指示を出すということは指示通りに動くことを求めていることがセ ット。
指示通り動いてくれるのが、指示出す人のコンフォートゾーン。
だから主体性を発揮させたいのなら、いくら指示を出しても
人は自分の思い通りには動かない。ということを理解して、
指示通りにならない葛藤を楽しむ度量を持たないとね。
指示を出す人も、他の誰かの思い通りには動かないから。
【今週の1冊】
「錦繍」
1982年 宮本輝 著
新潮文庫
たまにはこのような世界に浸ってみるのもいいものです。
縁があって出会い、そして別れてしまった二人の往復書簡。
そんな都合のいい出来事なんて起こらないよ。と思いつつ、
いやいや今までの人生、そんなひょんな出会いばかりだった
じゃないかと思い出してみる。
今なら手紙じゃなくてSNSとかLINEだからあり得ない関係
でもなく、今は今で新しい交流の方法が生まれているよね。
だから昔に戻って、和歌のやりとりをしてみたいと思うのです。
最近の新人って
相変わらず寒暖の差が激しく、周囲で喉を痛めている人が
増えてきました。声が出ないと大変です、とても辛いです。
それでも研修やらないといけませんからね。
まだまだ新人研修が続きます。
そんな合間での飲み会では、「最近の新人はどう? よくわからないよね」
という話題になるのですが、そうは思っていなくて、 新人はいつも同じ。
はつらつとしていて、目がキラキラしてて、 生活のリズムが一気に変わって
疲れが溜まって、ちょっと気を抜くと眠くなってしまう。
すぐ眠れる、熟睡できる、 いくらでも寝れるって若さがなせる技ですよね。
新人のことが理解できなくて当たり前。だって毎年、 年が離れていって
いるんですから。
最初に新人研修を担当したのは30歳の時、 まだ10歳も離れていませんでした。
それでも社会人経験8年と新入社員には大きなギャップ、 世代の違いも
感じました。それから10歳、20歳、30歳、、、 と年が離れていくのですから。
しっかり話を聞いているし、 彼らの流行もキャッチアップしてるから
わかっているよ。と思っているとそれは大きな誤解。
見ているテレビ番組、聞いている音楽、 流行はその時代に浸かっていないと
わからない。後付けて頭で理解できるものではない。
そもそも今誰もテレビ見てなないし。
で、実はこれは上の世代も同じ。30代と40代、 50代60代も実は全然違う。
まとめてひとくくりにされちゃうことが多いけどね。
ということで、 お互いわかっているつもりにならずにわかっていない同士だから
分かろうとする歩み寄ろうと努力することが大事なのです。
【今週の1冊】
「遠い山なみの光」
1982年 カズオ・イシグロ 著
早川書房
カズオ・イシグロのデビュー作。
長崎生まれで早くにイギリスに渡ったので、日本語は書けずに
英語で書いた小説の翻訳本。というややこしい流れはあるものの
引き込まれる文章力。今読んで良かった。 というのも映画化されていて
今年9月に公開予定ということを今知ったばかり。
映画を見てしまうとその映像で自分で想像した世界が上塗りされて しまうから。
映画を見る前にもう一度自分が想像した「遠い山なみの光」 を鮮明にしておこう。
短い小説だから映画も期待が大きい。
ただ、広瀬すずと二階堂ふみかが演じると知ってしまったから、
2回目は頭の中で変換されちゃうんだろうな。
若返りが最高の成長戦略
新人研修月間だからでしょうか。心の中で若手への期待が
高まっている今日この頃。
まだまだ元気な年配もたくさんいます。そういう人に引っ張って
いってもらわないといけないと思う人がいるのもわかる。
ですが、20年後30年後の社会の中核は若手世代。
だから任せられることは一気に任せた方がいいんじゃないかなと
思うのです。
せっかく大きく変わるチャンスが来たのに、新しい布陣が
対して変わり映えのメンツだったらがっかりですよね。
若い時はチャレンジして失敗しろ!それもいい経験だ。と
口では言っておきながらそういう機会に自分たちがしゃしゃり出る 。
自分はまだまだ若いものには負けん!と。
もうそういうのはいいですから。
ということで世の中の新陳代謝を進めることができたら
霧が晴れたように一気に青空が広がると思うのです。
飛行機も雲を抜けたら一面の青空ですから。
そう、そこまで突き抜けるためには、一気に上昇することができる
若いエネルギーが必要ですから。
【今週の1冊】
「ストロベリーナイト」
2006年 誉田哲也 著
光文社文庫
テレビドラマの印象が強く、読んでいても主演女優の顔が浮かび
とても辛い。姫川玲子のイメージそのままでドラマも良かったから
なおさら辛い。
グイグイ引っ張られるストーリーで気がつくと外は暗くなっていて 、
小説とリアルが融合してしまう。
誉田哲也の小説は映像化しやすいだろうな。
そして俳優のイメージがつきやすいし、 そのイメージを裏切らない。
次は、武士道シックスティーンを読んでみよ。
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