自由とは/2024年7月

今、そこにあるヒント

 自由とは

2024年も後半戦に入りました。早いなあ。
いや待て、2024年ということは21世紀になってから25年、四半世紀?
と思ってしまったのですが、21世紀は2001年からなので、四半世紀に
まだ少しありました。まあ、ほぼ四半世紀ですが。
時代は加速度的に変わったいく、、、。今は混沌の時代変化の時代
VUCAの時代。実はこの表現好きじゃない。いつの時代もその渦中は
大きな変化の波に飲まれているし、過去を振り返った時に、昔は変化が
小さかったと感じるだけだから。
ということで、そんな時代で考える「自由とは」

来週は都知事選が終わっている訳ですが、その都知事選。
立候補者が56人でてポスターの掲示板が足りなくなったり、
今までなら考えられないようなポスターが貼られたり、
候補者でなない人に販売して同じポスターを何枚も貼ったり、
政見放送では好き勝手話をしたりで、法の目をかいくぐって
自由を履き違えている人が多くて辟易していたのですが、
ちょ待てよ。という思いが。
こうゆう自由が許される社会は、行動や思想を制限されたり、
嫌なものを排除されたりする社会よりまだ全然マシじゃないかと。
人を傷つけたり、嫌な思いをさせるのも限度があるから、
法に触れなければなんでも自由じゃん。では決してないけれど。
今の自分には訳わからんと思う人が立候補して好きなことが言える
社会の方がいいかもしれない。
ほとんど新聞テレビを見ないので、立候補者の情報はネット経由で
それはそれでバイアスがかかっていることは承知の上ですが、
その訳わからん候補者の話をYouTubeで聞くと結構うなづけ
ことも多く、世の中のことをしっかりと考えている人が
多かったりするんですよね。
判断するのは自分。その手前の情報や主張は自由に発信できる
社会であり続けて欲しいな。

【今週の1冊】

「流転の海(第一部)」
宮本輝 著
1982年 新潮文庫

生きるエネルギーが沸々と湧き上がってきました。
「青が散る」の大阪の学生の話もですが、どこがうまいのかな。
情景が頭の中に思い浮かび、その空気の中で主人公が生々しく
語り出す。痛みも熱も冷ややかさも嬉しさが共鳴する。

まだまだ読まないといけない本はたくさんあるんですねえ。
流転の海、9部作まであるので楽しみが増えました。
これから熊吾はどんな人生を作っていくんだろう。

型にはまる

少しスイミングの話から。
梅雨入りしたかと思ったらすぐに梅雨明け。おそらく今年の梅雨は
史上最短でしょう。すでに夏真っ盛りなので夕方のスイミグは
とても気持ちいいのですが、なかなかタイムを伸ばすことができません。
そのためには、フォームをビデオに撮ってチェックしたいのですが、
もちろんプールにスマホを持ち込むことはできないので、イメージするしか
ありません。
その昔ゴルフをしていた時、ティーショットをビデオ撮影して愕然とした
ことを思い出しました。自分の思い描いていたスイングとビデオの中の
自分は全く違うのです。
スタンスから違う、テイクバックの角度高さ、何もかも違うのですから。
テレビで見るプロのスイングは個性はあるものの、基本に忠実で、
誰もがとても綺麗。型がしっかりと決まっています。
その型に自分を当てはめることがどれだけ難しいのか。
どんな分野でも上達するってそこがスタート地点。
自分のイメージと実際の動作のギャップがどのくらい違うのかを冷静に
客観的に見極めて、まず型にはめる。それからオリジナリティを
出して高めていく。
ゴルフではそれができなかったから上達できず、、、。
ということで自分のスイミングフォームを録画したいけど、
どこかできるところはないかな。あったら教えてください。
で、本題ですが、自分を型にはめるためには柔軟さとしなやかさ、
そして強さがないとダメなのです。体と思考が柔軟で、それを
受け入れて自分のものにできるしなやかさ。
ゴルフやスイミングのように録画して見ることができる体のことは
まだ良いのです。できていないことがわかるし、ストレッチや筋トレなど
少しでも柔らかくしなやかにする方法はある。
問題は思考は見えずらいということ。客観的に見えないから
どんどん硬くなり、自分のイメージと現実が乖離していくのです。
いろんな思考実験、思考プロセスを試して頭を柔らかくしなきゃ。

【今週の1冊】

「陰陽師」
夢枕獏 著
1991年 文春文庫

暑い夏には怪談。

ということで遡ること1,100年前の怨霊と鬼、物怪の話。

科学者であり化学者、数学者で天文学者。さらに心理学者であろう
安倍晴明の不思議な話。
電気が届かない暗闇とインターネットもスマホもない生活が
続くとどうなるのか。想像できないし、生きていけないかも、、、
いやいや、すぐにその世界の順応して1週間もしたらその世界で
楽しみを見つけるんでしょうね。
そして1年もすれば、あらゆる分野で才能が秀でた安倍晴明が
誕生するのでしょうね。
現代にこの話を持ってきたら怪談だけど、その時代では普通の話。

裾野を広げる。参加者を増やす

梅雨、明けませんでした。まだまだ湿っぽい天気が続きます。
そして、世界では大きな事件が。
危機一髪。まさに紙一重で命を失うことはありませんでしたが、
テロや暴力は決して許されるものではありません。
どんなに主義主張が異なっても討論、議論を繰り返していく。
一方、話せばわかるなんてこともないでしょう。
どんなに腹を割って話してもみんなが分かり合えることは難しい。
それでも諦めずに時間をかけても繰り返していくこと。
その結果全員が納得いく結果が得られなかったとしても。

そんな民主主義のための大事な制度の一つが選挙。そして今回の都知事選。
今までは選挙が終わって数日もすれば、ニュースバリューも無くなり、
目にすることも少なくなっていましたが、今回は少し様相が違いますね。
様々な立候補者のことが選挙後にも語られています。
これも候補者が56人という大人数だった成果でしょう。
人数が多いとイロモノ的な人が紛れ込んだとしても、
(そのように感じられても)数が多いと磨かれていくし、
全体のレベルが上がっていく。参加者の人数って大事。

大谷が全国の小学生にグローブを送ったのもそんな思いだろうし、
Jリーグの理念も全国にクラブチームを作って地方から活性化し、
サッカー人口を増やしていく。
裾野を広げた世界で健全な競争が行われてより洗練されていく。
そして成熟し、衰退し、新しいものに生まれ変わっていく。
そんな健全な新陳代謝のために、裾野を広げて参加者を増やすこと
必要なプロセスですよね。

【今週の1冊】

「黒い雨」
井伏鱒二 著
1966年 新潮社

1945年8月6日から8月15日までの広島での出来事が生々し
綴られた日記形式の文章。
ノンフィクションなのか小説なのか、読んでいてとても曖昧
なのですが、読み進めていくうちに原爆の恐ろしさが少しづつ
そして深く染み込んでくるだけでなく、人の強さ、日本人の生き様
伝わってきます。

多くの人が亡くなり、傷つき、生死を彷徨い、そして命を落とす。
なんな中でも規律を守り、死者を弔う気持ちを失わずに、
淡々、しかし感情も失わずに強く生きていく。

文章を通して光と影、風、匂い、温度、空気が再現されるのです。
小説ってすごいな

なぜそう考えるのか、そう思うのか

最近新幹線の運休増えてきたような気がしませんか。
実態はどうなのかなと調べてみたのですが、情報をすぐに見つけることが
できず断念。検索能力が落ちています。これではダメですね。
ところで、最近Google検索はレコメンド機能が働きすぎて広告が全面に出てきて、
なかなか知りたい情報にたどりつかない。そんな感じがします。
そんなことを言っても誰も助けてくれないので、
自分自身の検索スキルを上げるしかないですよね。
システムのアルゴリズムを理解して検索ワードを変えてみたり、
Google検索以外にもYouTubeやインスタ、その他のSNSを使ったり、
chat GPTに意見を聞いたり、検索能力をアップデートさせなきゃ。

最近、「アンコンシャスバイアス」って言葉よく聞きますよね。
無意識、無自覚の偏見。悪気はなくても、良かれと思って言ったこと、
やったことも偏見入っていませんか。という感じで。
そこで、研修の登場なのですが、その前にはっきりさせておかないといけない
ことがあるのです。
それは、なぜそう考えるのか、そう思うのか、そのような判断をしたのか。
その理由と背景を明らかにすること。です。
偏見は誰にでもあります。だってみんな違う人生を歩んでいるので
影響を受けた人や本も違うし、経験も異なるし、経験から受ける印象も違う。
そんな中での判断は人それぞれなので、Aさんからみたら偏見でも
Bさんからみたら偏見でもなんでもないこともある。
人によって違うから偏見あってもいいよね。ということではなく、
その背景を知ることで、理解を深めていきましょう。ということ。
例えば、女性の管理職昇進に後ろ向きの既存管理職も、ただの偏見ではなく、
そのような判断をしてしまう理由が必ずあるのです。それを知ろうとせずに
意識を変えようとしても変えることはできません。

なぜそう考えるのか、そう思うのか、その判断をするのか。
意見が異なる人と合意を得るためには、相手の背景を知るだけでなく、
自分自身の思考の背景を深掘りすることがまず必要。
自分の当たり前は、自分の経験の積み重ねの結果ですからね。

【今週の1冊】

「新しいリーダーの教科書」
今井千尋 著
2024年 あさ出版

ご存知のように、ビジネス書はほとんど読まない主義ですが、
縁あって読んでみたらなかなか良いではありませんか。
実践に基づいているからかなり納得できる。
それでも感じたことは、自分の主張とか考えていることと
同じ、あるいは近いといい本だと思うし、異なることが書いてある
それは違う、間違っている。となってしまうのは危険だなと。
異なる主張こそ学びがある。そのためには書いてあることの
元になっている背景の思想やどんな体験をしてきた人なのか、
どんな文脈でこの一言が書かれたのか。そこまで深掘りすれば
ビジネス書も学びがたくさんあるのかな。

チーム作りのあり方

暑い日が続きます。更に夕方からゲリラ豪雨という日も。
東京も本格的に亜熱帯地方になってきたのでしょうか。
それでもクールビズが浸透したおかげで、夏の盛りにネクタイ締めて
スーツ着て通勤しなければいけない状況はなくなってきたし、
リモート勤務増えてきて、そもそも外出しなければいけない状況も
一気に少なくなりました。世の中変わるものです。とても働きやすく
なりました。
チーム作りのあり方も変わりましたね。
近くにフットサルコートがあって、主に幼稚園から小学生の子供たちが
集まっているのですが、その指導者がとても上手い。
プレーをよく見ているし、よく褒める。そして子供達もそれによく応える。
叱らず褒めて育てるという単純なことではなく、具体的に的確に指摘して、
子供達自身に考えさせて褒めるに繋げている。すごいなー。
更に先日は、夕方からカミナリが鳴り始めた途端に一斉に避難。
リスク管理もしっかりできている。もちろん練習中に水を飲んではいけない
などの理不尽な精神論もなく。強くなるはずですよ。
今回のオリンピックでは、いつの間にか世界のトップレベルになっていた
男子バレーボールが楽しみなのですが、強くなった要因が監督の指導方法に
ある。この話を聞いて、それはトップレベルのチームだからできるのでは
ないか。と思ったのですが、いやいやすぐ近くのフットサルの子供達と
その指導者と同じではありませんか。
昭和は遠くなりにけり。いい時代になりました。

 

【今週の1冊】

「ゴリオ爺さん」
バルザック 著
1835年

たまたま読み始めて、190年前のパリの街並みと生活に思いを馳せて
いたら、パリオリンピックが始まったことにびっくり。知らずにパリが
引き寄せたのかな。
やはり長く愛される小説は魅力に溢れています。
会話からパリの風景、人となり、時代がよく伝わってくる。
人間の本質は何ら変わっていない。仕事、人間関係、親子関係、
お金、嫉妬、欲、安らぎ、、、。
読んだのは、平岡篤頼 訳の新潮文庫。訳もとっても良かった。

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