遊び/バッファーは大きく
住んでいるマンションの共有スペースの空調工事が始まりました。
11月1日から30日までの1ヶ月間。 日々いろんな共有施設を使って
いたので、1ヶ月間使えないのは不便ですが、冷房も暖房も
必要ないこの季節の工事は大歓迎。
ちょうど今、大規模修繕工事の真っ最中なので、多少騒音がしたり
なのですがその後の快適な生活のためには少しの我慢も問題無し!
という住民が多いようなので、それも快適。
マンションは見知らぬ他人同士が住む、共用住宅なので、
それぞれ生活スタイルも価値観もバラバラ。そんな人たちが
問題なく暮らすためには、いい意味でお互いに無関心で
どうしても譲れないところ以外は、いい加減であること、
許すことだと思うのです。みんな違うのだから。
ルールや規則に縛られるのではなく、遊び/バッファーの領域を
大きく持って他人を縛らない。もちろん自分を縛らない。
みんな誰しも大事なことを忘れたり、無くしたり失敗もする。
そんな周囲を大きな目で見て、そんな自分を慈しむ。
その方が楽でいいよね。
だって、人間だもの。
今週の1冊】
「八つ墓村」
1971年 横溝正史 角川文庫
何度も映画化され、ドラマ化されているので、映像では見た
記憶があるのですが、(CMは覚えていますが本編は記憶なし)
実は小説の方が面白い。という記事があったので読んでみた。
なかなか良い。とても良い。犬神家の一族も読んでみようかな。
で、追記
このタイミングで「砂の器」の映画を視聴。
良かった、とっても良かった、怒涛の後半30分。感動。
松本清張の原作は随分前に読んでいたし、ドラマ化された最初の
ものは見ていましたが、1974年の最初の映画は圧倒的に良い。
小説を読んでいると映像化された時のイメージが浮かんできますが 、
この映画は完全に原作を超えていました。脚本と映像と音楽。
そして演技、演出が噛み合うとこうなるのか。
原作が悪い訳ではなく、 全く違うエンタメとして成立していました。
で、追記の2
この「八つ墓村」と「砂の器」、そして先週の「細雪」は
時代背景が昭和10年〜20年くらいで、ほぼ同じ。
神戸、そして大阪の都会が舞台の細雪と岡山と鳥取の県境の
山間部が舞台の八つ墓村。奥出雲が舞台の砂の器。
その生活様式の違いが感じられでとても興味深い。
今、都会と地方の分断や違いが語られることがありますが、
100年前はもっと違う。文化、 生活様式は差がなくなってきている
のですね。
ということで、やっぱり小説は面白い。
仕事の報酬は・・・
今年ももう11月。あと2ヶ月で2024年というか、 令和6年ももうすぐ終わりですね。
昭和から平成に変わったのもつい最近のような気がするのですが、 きっとそれは
錯覚に違いありません。
知らない間に時代が変わっていくように、 様々な価値観も変わってきているのでは
ないでしょうか。
私が働き始めた頃は、「仕事の報酬は仕事!」仕事を頑張れば、 もっと大きな仕事
難易度の高い面白い仕事ができるようになって、 自分も成長してお金は後でついてくる。
だからもっと頑張れ!と言われ、 それに疑問を抱かずに仕事をしたものです。
そのおかげで確かに仕事力はつきましたが、 失ったものも大きかったような気がします。
時代は変わりました。今、「仕事の報酬」は何でしょうか。
今でも仕事の報酬は仕事だ!と考えていると、 世の中良くならないような
気がします。その考えだとやればやるだけ大変になりますから。
今は「余裕とかゆとり」ではないかな。
2時間かかる仕事を工夫して効率を上げて、 1時間でできるようにしたり、
業務のやり方そのものを見直したり、 DX化することで劇的に業務改善を
行って仕事に余裕ができたら、新しい仕事が手に入るのではなく、
余裕の時間が手に入る。ゆっくり休んでもいいし、 買い物や旅行に行っても
いいし、好きなことができる時間を与えて、 周囲もそれを受け入れる。
なんか良くありません?
仕事の効率化を行ってももっと仕事が来るんだったら、 仕事を効率化する
モチベーションが湧きませんよね。 今より責任も重く大変になったら、
今まで通りでいいや。ってなってもおかしくないですよね。
革新的なことや新しいことは、 余裕や無駄なことや意味のない混沌から生まれるのでは
ないでしょうか。
昔、無茶苦茶処理能力が高くて、 前任者から引き継いだ1日仕事を午前中で仕上げて
「今日の仕事終わったから帰りまーす」 って人がいたことを思い出します。
そんな人が世の中変えていくんでしょうね。
【今週の1冊】
「猫を抱いて象と泳ぐ」
2009年 小川洋子 文藝春秋
数奇な運命のチェスプレーヤーの物語。
温かく理解がある人たちに囲まれて、持って生まれた能力を
思う存分発揮できることがどれだけ幸せなことか、、、。
いや、幸せなのかな。どうなんだろう。その答えはわからない。
もっと幸せな人生を送れたのかもしれないし、波瀾万丈な生き方が
できたのかもしれない。
しかし、誰にとっても人生は一度きり。 その人生をどのように生き、
どうやって死んでいくのか。こうやって思い出して書いてみると
読んでいた時とはまた違う感想が湧いてくる。
チェスの棋譜から奏でられる世界を感じてみたいですね。
のだめのようの楽譜から花や色を感じるようなものなのかな。
もっと自由に
時代は毎日ほんの少し、確実に変わり。 同じ日は1日たりともありません。
なんてことを毎日散歩をしながら感じます。
散歩ルートはいくつかありますが、 限られているので何度も同じ道を歩いていますが、
毎回何か発見があって面白い。新しいビルが立ち始めたり、 解体が始まったり、
光や風の具合や匂いが変わったり。
それと同じように社会も少しづつ変わってきて、振り返ってみると
大きく変わっていてびっくりすることがありますよね。
その変化のほとんどはいい方向に向かっている。 世の中快適になってきています。
中には、昔はもっと自由だった。今は締め付け、 規制が厳しくなってやりづらい、
なんてことを言ったりしている人もいますが、それは勘違い。
世の中の流れは、他人に行動を束縛されない、 思想を制限されない。
間違いなくその方向に進んできていますよね。
たまにそんな流れに逆らって、 やりすぎだからもっと規制をした方がいいと、
主張する人も出てきたりしますが、 それはとっても怖いことですよね。
みんながもっと自由になったら、どんなにいいことかなと。
【今週の1冊】
「ひと」
2021年 小野寺史宣 祥伝社文庫
ほのぼのほのぼの。最初から最後まで出てくる人が
みんな愛おしい。大きな事件も起こらず、、、。
みたいな空気感なんだけど、いやいや主人公は大変。
そんなことを感じさせない不思議な魅力。
地方から大学進学で上京した人はみんな読んだ方がいい。
懐かしくも切なく、こんな人いるよね。東京の下町って
こうだよね。と匂いまで感じてしまう。
今度一日、登場した街を歩いてみよっと。
ありがとうの力
先日、 結構大きなストレスがかかる仕事をしている人と話をしていて
そのストレスをどうやって発散しているか気になって聞いてみまし た。
ストレスを溜め込まないように色々工夫をしているようでとても参 考に
なりました。その中のいくつかを紹介。
まず、心と体は繋がっているよね。ということで、
メンタルがやられそうな精神的なストレス解消には、体を使う。
モノを投げる、ぶつけるということから
運動する、楽器を演奏する、ペットと遊ぶなどなど身体的な刺激。
これでかなり改善されるようですね。
定期的にプールに行って泳いでいるので、これは完全に同意。
特に忙しかった日のプールは心も体もとても落ち着きますからね。
適度な疲労でぐっすり眠れるし。
次に周囲からの客観的な評価。
仕事とは直接繋がっていない、客観的な第三者から評価されると
仕事の価値を見出すことができて、 精神衛生上とてもいい影響があるようです。
人間誰しも、誰かの役に立ちたい。意味がある仕事をしたい。と
思っていますからね。直接的な報酬ではなく、 客観的な評価の方が効果大。
そして、直接言われる「ありがとう」の言葉。 この一言の言葉の力は絶大ですね。
やって当たり前、 やってもらって当たり前だと思っているとなかなか出てこない、
この一言。
で、今日これを最後に書いたのは、 みんなが簡単にできることだから。
ということで、いつも読んでいただいてありがとうございます。
【今週の1冊】
「夏への扉」
初版発行 1956年 ロバート・A・ハインライン
1979年 福島正実 訳 早川書房
70年も前にこんな未来予測をしていたことに驚きます。
その頃描いていた未来が今ここにあり、予想通りのこともあれば、
大きく外しているものもあるけれど、昭和31年にこの世界が想像
できたことが信じられない。
これからのビジネスの種は全てSF小説の中にある。と言っても
言い過ぎじゃない気がする。
今まで読んだ、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」
「1984」「星を継ぐもの」「幼年期の終わり」・・・
どれも名作でした。 そして今の科学技術に大きな影響を与えている。
年末年始はSF小説に浸ってみよう。
まずは第一作だけ読んでいる「三体」の続編かな。
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